植田正治

2010年6月2日 芸術
◆植田正治写真展 写真とボク(美術館「えき」KYOTO)◆

よく「写真のような絵だ」という表現をするけれど、植田正治の写真は「まるで絵のような写真」。
計算し尽くされた徹底的な演出をしているにもかかわらず、被写体はそれを超えて、このモノクロームの世界がどこまでも自然で身近なものに感じてしまうから不思議だ。
それは家族や住み慣れた街の風景をモチーフにしているからなのか。どこか懐かしく、でもどこにもないような、見ていると不思議な感覚に陥る。


「演出いっさい無しの徹底したリアリズムを追究する」ことが当たり前、という当時の写真の常識にとらわれず、でも決して奇をてらわないというか、要は好き勝手楽しく撮ってたんですよね。でもそれが一番(笑)
砂丘の中の家族の写真がよかった。砂丘、見たいなあ・・・


「小さい漂流者」という、浜辺に配置された流木たちの作品。まるでダリの絵のようだ。流木の造形がおかしくて、生きもののよう。写真は真実しか写さないハズなのに、こうやっていとも簡単に「超現実」しちゃうとは。だから植田正治だけでなく、写真家ってすごいなーと思う。こういうの見てると、じゃあ絵画の役割ってなんなのかなあとか思ってしまう。それについては今ここで考えるべきことではないけれど。

「写真なんてただの記録じゃん・・・」とか思っている人はきっと損をしているから、植田正治なんかを見ておくと写真に対する意識がガラッと変わるかもしれない。私はかなり変わりました。



会場でトイカメラがいっぱい売っていてこのやろうと思った。カメラ少女を増やそうとしているな。このやろう。


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